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祖師堂について妙本寺の祖師堂はその棟札から天保九年(1838)と推定されています。桁行 (正面) 五間、梁間 (奥行) 六間で、瓦葺き入母屋造りです。正面は約 18.7m、奥行きは 約 19.7m の堂々とした建造物です。 軒の周りは、禅宗様で、尾垂木が上下二本でている二重尾垂木で、三手先の斗栱を柱の上とその中間(中備え)のも配しています。斗栱の部材も大きい建物にふさわしく大型のものです。 向背 (正面に突き出した屋根の部分) は海老虹梁や籠彫手挟、虹梁受けに花の籠彫り、中間に龍の丸彫、木鼻の獅子鼻・象鼻とするなど、彫り物に見るべきものあります。 軒は二軒繁垂木(垂木が二段で細かく配されているもの)です。 祖師堂内の中央にある豪華な厨子は、江戸にあった鼠山感応寺(ねずみやまかんのうじ)というお寺が、江戸後期老中水野忠邦 (1794-1851) による天保の改革で取り潰された際、当寺に移したのだそうです。 厨子に祀られている日蓮聖人像は、池上本門寺・身延久遠寺と一本の木で彫られた「一木三体のお像」と言われ、日法上人の作ですが、そのなかでも妙本寺の像は日蓮聖人御存命時の製作で一番古いとされ、鎌倉市の重要文化財に指定されています。 厨子には華麗な彩色と豪華な装飾が施されています。(写真下) 厨子の左右に第二祖日朗菩薩 (写真下 左) ・第三祖日輪聖人 (写真下 右) が祀られています。
この祖師堂(1838)は、建長寺法堂(1828)、鶴岡八幡宮上宮(1846)、光明寺山門(1846)とともに 鎌倉地方の幕末寺社建築を代表するものであるとのことです。『目録』 |