所在地 | ●甘縄神社は、由比ガ浜大通り、消防署長谷出張所の脇から山側に入りると、正面に見えてきます。庚申塔は、山腹の社殿にいたる石段のふもとの平場、左奥に立っています。 ●この山は、万葉集(十四巻) (No.3365)「鎌倉の 見越し(みごし)のさきの 石(いわ)くえの 君が悔ゆべき 心は持たじ」と謳われた「見越しのさき」との説があります。(しかし、大方は、稲村ガ崎あたりや腰越の小動岬あたりをあてています。) ●万葉集には、上記のような鎌倉の地名が出てくるものが三首、鎌倉出身の防人の作が一首あるとのことです。 この防人は、鎌倉郡(こおり)の上丁丸子連多麿(じょうていまりこのむらじおほまる)という者だそうで、 同巻のNo.4330「難波津に 装(よそ)い装いて 今日の日や 出(い)ではまからむ 見る母もなしに」と、はるか難波の地から、さらに遠い九州に赴くことになり、出発を祝った満艦飾の船の上から(でしょうか)、残してきた故郷の母を思い謳っています。 ●万葉集十四巻は、東歌を集めており、なかには、「八首の歌が提出されたものの拙劣の歌五首は取り載せず。」などといった記述もあります。 当時 この地に生活をしていた人々の息づかいが聞こえてくる巻であります。 庚申塔の概要 | 1基あります。 | 板状駒型 上辺に日月、中心に合掌した六手の青面金剛像が彫られ、 下辺に三猿が浮彫りにされています。 宝暦十年(1760)の銘があります。 庚申塔の現状 | 1基 | 記録の通り保存されています。(平成14年11月16日) |
全 景 |
庚申塔 |