第54回 My 鎌倉   logo1
今月のゲスト


菅谷 ゆり子さん

鎌倉連句「里の会」 主宰

市登録唯一の連句教室で、特に高齢者の頭の体操に最適、より多くの人々に連句の楽しをさ知っていただきたいと活動しています。

[07.07.25 鎌倉生涯学習センターにて]


すがや・ゆりこ さんのプロフィール
大正14年(1925年)東京生まれ。学校生活の中で 書・絵・短歌 を学ぶ。
大学では国文学を専攻し、卒業後は国語の教師として富山県・宮城県、そして川崎市に勤め、鎌倉に移ったのを契機に教員生活にピリオドを打たれた。後年は俳諧師 抱虚庵六世 清水瓢左に入門指導を受ける。
俳句は「馬酔木」に投句、独学で学ぶ。書と句と画の会 里の会 (昭和44年9月) 誕生。
長年市民講座の開講・地域へのカルチヤー指導する。現在、鎌倉連句 里の会 主宰。

■連句について

連句とは、正しくは「誹諧之連歌」と称し、同士数人が集って 長句 (五・七・五) 短句 (七・七) を交互に連続させ四季の移ろいや、人情の機微を詠み、場面を前進させる楽しさを味わう日本独特の文芸です。

 連句は現代俳句のル−ツなのです。芭蕉によって誹諧の連歌は完成されたのですが、子規が連歌の第一句の発句を独立させて、五七五の現代俳句となりました。

「花を持たせる」「挙げ句の果て」「首尾よし」などは連句用語で、今でも日常生活の中に生きている言葉です。言語や文章によって表現できる優雅にして、薫り高い遊びの世界と云えるでしょう。

■連句画への出会い
 
私は、文人だった父の影響もあり、幼時から短歌や俳句に親しみ絵描きが好きで、小学生の頃から多くの賞を頂き、身近に馴染でいました。

学校生活の中で 書は小林龍峰、絵は吉川淡水、短歌はアララギ派の土屋文明、漢詩は塩谷温に学び、後年(昭和58年)には俳諧師 抱虚庵六世 清水瓢左に入門指導を受けました

 (抱虚庵とは、蕉門十哲の一人 立花北枝の流れをくむ、芭蕉の真髄を伝える派です。)

自宅で、地域の子供達に書道を指導していた頃、親ごさん達にも教えるようになって、それが発展して 書と句と画 里の会 (昭和44年9月) が誕生しました。


■連句画の作品紹介

新樹光 如何なる未来 子に在らむ

谷戸ぬけて また山百合(絵を読ませる)
谷戸に入る

「書・句・画」を同時に学ぶという方法は、私が独自に開いた道です。
1枚の色紙にそれらを表現しています。


句に出ている素材は画には描けない、画にみえているものは句には表せない。
この二者が蓮の糸のように適切に関連できれば面白いですね。

画が単に句の説明であったり、挿絵のような役ではつまらないと思います。
二句の間の余情の世界を発句と脇句(画)が、七、三か半々くらいの割りで、連句画として表現できれば、また楽しいことではないでしょうか。


主な活動履歴

◆鎌倉郵便局に連句画を月に二枚展示、これに関東郵政局長より褒賞いただきました。
◆文化庁主催全国文化祭連句部門で大会賞(香川県)
◆伊賀上野の芭蕉祭には特賞で俳聖殿に永久保存の栄を戴きました。生涯のよろこびです。
◆作品集「書・句・画谷戸の道」十周年と二十周年に二冊出版。五十周年を目指して励んでおります。
八幡様のぼんぼり祭には、大は連句三つもの 小は連句画を今年で27回献灯
 連句協会会員として芭蕉三百年祭に奉納連句を八幡様舞殿にて数回執筆を勤めました。



八幡様奉納連句 執筆を勤める


ぼんほり祭りに出展 連句三つ物
<市民講座の開講>

◆鎌倉市教養センタ− ◆吉屋信子記念館 ◆大船行政センター(鎌倉ケーブルTVに放映)

◆横浜国大付属中学校や相模女子大でのカルチャーなど長年に亘る「連句・連句画教室」を実施してきました。
◆他に東京高輪、辻堂センター、川崎教室にも出張指導しました。

現在は、鎌倉市生涯学習センター月一回(木)のみ連句教室で、特に高齢者の頭の体操に最適、より多くのの人々に連句の楽しさ知っていただきたいと活動しています。



吉屋信子記念館にて市民講座


横浜国大付属中学にて連句指導

毎年市の文化祭・フェステバルに書句画の色紙連句出展

   

連句の作品紹介

連句の実作には種々のルールがあり、句の数で名称が変りますが、通常36句で歌仙を巻くといいます。
作品の例で下記はいちばん短い形式、表合せ十句です。
一巻の中に、花、月、四季、恋、動植物、食、酒なと゛人事、自然万象あらゆるものを詠みとるのが連句の基本です。他に短歌行、世吉、百韻などの形式があります。





吟行




平成






 





















 
























 






















 





















 




















 










衆判























久子

















 
 

        









殿












 






















 


















 





















 





















 


























て 
 


















 




















 


















 




















 











有里









































































 



 







西












学唱歌

ごむ















 






















 
























 






















 






















 


















 






















 


















 


歌仙






 




有里









 










 






















































 







吉屋信子
記念




平成






十六




平成




月一日



































































































































































































































 




























 















 















 



● 短歌と絵のご紹介 ●

漢詩朗詠の会の招請により 「鎌倉八景」 自作の短歌と絵をステージに披露・出演しました。


大 塔 の 夜 雨
あたたかき 春の夜の雨 岩窟ぬらす
 悲運の皇子の 魂安かれ


長谷の晩鐘
夕映えの 万朶の桜 青き海
 御法の庭に 入り相の鐘


由比の帰帆
さなどりを 讃へし右府の 歌碑の浜
 ヨット競へり 夕焼くる中


鶴岡の晴嵐
武家政権 此処ぞ発祥 大銀杏
 みどり弥増し 舞へる白鳩


二階堂の落雁
みちのくの 夢ははかなし 二階堂
 今葦原を 帰る雁がね


光明寺の夕照
語り継ぐ 和賀江の遺跡 夕照りて
 遠く黒富士 見せて昏れたり


大仏の秋月
月光に 美男大仏 露座なれば
 とく拭はばや 公害の塵


比企の暮雪
興亡の 歴史遺せり 比企が谷戸
 雪に暮れゆく 老杉の森



教室へのお誘い

今や連句は全国的にブームです。現代俳句のルーツである連句を「むつかしいから」などと云わずに月一回、エンピツ一本・紙一枚 楽しい仲間に是非 初心者大歓迎 いらしてください。

連絡先 : 菅谷 ゆり子  鎌倉市佐助 1-14-9 電話 0467-22-8382

 

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