第56回 My 鎌倉 | |
今月のゲスト |
Y. コガワ
カマクラン英語教室 学長 |
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こがわ・よしまさ さんのプロフィール |
カマクラン英語教室 学長 (80歳/2008年現在) ・1928年 神奈川県川崎市生まれ ・東京・高輪中学卒業前から現住所の鎌倉に転居 ・念願の教師志望で、旧中学卒後、鎌倉第一小学校の助教諭になる。 ・20歳代で、進駐軍 横浜指令部 教育行政部 <通訳> として採用される。 ・1955年 横浜国大(旧師範学校)の教 員養成科を修了して正教員(教諭)となる。 ・通訳ガイド国家試験(現 通訳案内士)の免許を取る。 ・1960年 カマクラン英語教室を小町の婦人子供会館内に開校。 ・1964年 東京オリンピック鎌倉通訳団団長/横浜・横須賀米海軍ベース内の日本文化・日本語講師・日本人への英語教 授法の講座を担当すること約30年。 同時に、鎌倉市生涯教育講座として <外国人の接遇> <鎌倉のガイド> <教 科書を使わない英会話> などなど。 ・海外体験は、履歴書には載らない英語教師のエッセンスであり、invisible asset(目に見えない財産) |
■ カマクラン英語教室とそのコンセプト ● 私は1960年に、小町にある婦人子供会館にカマクラン英語教室を開設しました。 以来47年、教えた生徒は数知れません。 現在は、13クラスに特別教室が3クラスで、合わせて16クラスがあります。とても忙しく私だけでは できませんので、指導補助として外国人のアシスタントのかたが5名おります。 ● 教室のコンセプトは 「日本人としてのアイデンティティ」 を忘れないこと、つまり、日本のことが話せる、そして日本 人らしさを教えていきたいと考えています。
● 私は日本人の英語の教師でよかったと思っています。 家内は、芸大・音楽学部 能楽科を出た歴とした日本人です。アメリカ大 好き人間の私をたしなめてきてくれました。 私も英語の生徒さんに、”礼儀や日本文化の知識の中に <Japanese identity> の spice を忘れないように”と指導 しています。 英語ができる人の価値は、なんと言っても、日本式の特色を外国人に見せることではありませんか。 ● ネイティブの教師に習ったからいいとは言えません。 大勢の外国人が英語を教えたがっています。私の教室の教師に なりたいと申し込んでくる人もいます。 私が日本語・日本文化の講座をもっていた横須賀米海軍内の Community Center や婦人会などでも、<How to Teach English> (英語教授法) のセミナーを開くことがあります。何回か私も講義を頼まれました。
軍・軍属・家庭の主婦、アメリカ人と言っても、日系、中国系、インド系とさまざまの、いわゆる ネイティブ スピーカ ー が集まります。大部分の方が<語学教育>に関心も経験もありません。共通してあるのは<日本人への興味>と<円 での収入>です。 私は、最初に スペリング の ミニテスト をします。 Buddhism(仏教)、particular(特に)、San Francisco(サンフランシスコ)、chrysanthemum(菊)など、書けない人 が多いです。
● <日本人への英語教授法>の講義中に質問されることは: 1.日本人の生徒は、しゃべろうとしないから疲れる。 2.カブキだとか、フジサンについて、質問してもよく知らない。 3.RとLの発音がだめですね。どうやって教 えたらいいですか。 4.お寺と神社の違いもよく判らないらしい ●私はこう言います。 1.アメリカ人はしゃべり過ぎるんです。生徒に話させなければだめです。 2.話せる生徒がいると、面白そうに聞いて、生徒の間違いを直そうともしません。 3.自分の興味とか、知らない日本文化について、聞きだそうとしないで、あなたの国の文化を教えてやってください。 日本のことをしゃべれるようだったら英語を習いに来ないでしょう。道をたずねて、教わってばかりいては困ります。ご 自分のほうが教えるんですから。 ■ 私のように英語を教えている日本人の方へ ●一般の日本人は、外国語はネイティブに教わるのが一番いいと言う misconception をもって いるようですし、習うほうも native の方がいいし、面白いと思っているようです。 bilingual で日本語を苦労し て勉強された native は別です。日本人は初めから英英辞書を使いこなせません。私も英和辞書が頼りでした。留学生だって英 英辞書より英和と和英が必要なんですから。 ●日本人の英語の先生方、もっと自信をもって後輩のための ”英語を好きにしてくれた日本 人の英語の先生” であって、尊敬される先生になってください。 ■ 外国人の方へのガイドの心得 外国のかたと接触する際に大事なことは、 ・まずはスマイル、感じのよいこと、明るい態度とユーモアで。 とにかく、旅を楽しんでもらうこと。 ・ためらわず、自分をだすことと、相手を分かること。 ・家族の写真を携帯するのもよい。個人の生活や、家族、経済状況などを 話すと、名所や旧跡よりも喜ばれ、親しくなれます。友達ができます。 ・自分の国や、家族の悪口を言わないこと。 ・いろいろな質問が出ることを予想し、外国人の目でみること。歴史上の年月日や、数をよく覚えておくこと。 ・細かい神社仏閣の説明は不要。適当に。特別なことのみ印象づけるとよいです。 ・宗教や、それに伴う儀礼、例えば礼拝や写経などは強いないこと。 ・天候の状況で、案内の内容や方法を変えるも大切です。 ・そして、お別れするときは、きちんと日本式に丁寧に挨拶すると、日本人の作法が示されます。
■ 健康の秘訣 ●朝は早起きで4時30分です。 5時には歩いています。 別に気張っていません。 鎌倉の道を歩いても、 ”ここ、プリンス エドワード島の、あそこの道と同じだ。”、”この辺りの各お庭・・・ NZを想いだすな。” こうして見てゆくと、明け方の江ノ島が、フランスのモンサンミシェールと重なるんです。 楽しいですよ。
■ 海外旅行 ● 異文化に接して、比較すると学ぶことが多いですね。 ・カマクラン英語教室のオリジナルの海外旅行は、アメリカはもちろんですが、アラスカ、バミューダ、北欧、スコット ランドなど、広範囲にわたり計36回。 そして個人的な研修旅行を加えて、50回にはなります。 ・アメリカ大陸をグレイハンドバスでの横断、アメリカへ帰っていった友人や教え子とのその後のつき合い、私が生徒さんに作った 大型の旅行。 アラスカからハワイに寄る変わった旅行、美しい動物がまだ多く見られたアフリカを4回も連れて行った こと。 特に、ケニアなどアフリカはアメリカに次ぎ、忘れられない外国です。 80歳の現在は、静かに<日本文化> を楽しむようになりました。
■ カマクラン英語教室のご案内 ●講師:(学長) 粉川 義正、Christine Wirth 他の英米人アシスタント ●高校生(高校生以上対象)でも、50の手習いでも入れる。 教科書を使わない。 ●クラス:「入門基礎クラス」「初級」「中級」13クラス ●曜日:毎週 火曜から土曜日まで 月4回 (第5週と祝祭日は休講) ●時間:9:20〜10:30、10:40〜11:50、18:20〜19:30、19:40〜20:50 (曜日と時間の組み合わせがあります。) ●費用 ・入会金:¥10,000 ・受講料:¥5,000 (月の初めに納入) ・運営費(学年度分):¥5,000(主に冷暖房費)(入会時と新学年ごと) ・入学時の納入金は 合計¥20,000 ●場所:鎌倉婦人子供会館 鎌倉市小町 1- 11 - 5 電話 0467-22-0507 ●お問い合わせ:カマクラン英語教室 事務局 学長 粉川 義正 電話:0467−25−5223 Copyright (C) Kamakura Citizens Net / Kamakura Green Net 2001 All rights reserved. |