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鎌倉に住んで40年
結婚して住まいを探していたとき、ご縁があって七里ガ浜に住むことになりました。広々した開放的な環境が気に入ったことと、土地に余裕があって、アマチュア無線のアンテナを建てられることが魅力的でした。鎌倉に住んでみると無線で旧知の仲間が多数居て、旧交を温め、すぐに溶け込むことができました。
サラリーマン時代は在住ではありましたが地域との交流は希薄でした。平成になって「バックス21」を拠点に豊島屋30周年記念ビデオの制作、鎌響やホームコンサートの録音などを手がけ、鎌倉市民の皆さんとの交流が復活しました。
■アマチュア無線との出会い
最近はアマチュア無線をやる人(ハム)は少なくなりましたが、60代の技術系の人は一度は興味をもった筈です。勿論当時はICなどはない時代です。真空管式のラジオを、全て手作りしていました。米国の資料を読んだり、交信のために自然と英語力がつきました。それが就職にも役立ちました。「真剣に取り組んだことは、結局無駄になることはない」というのがモットーです。
雑誌「CQ Ham Radio」1960年2月号に紹介された記事
■鎌倉FMについて
試験放送時代に「ブラウジング鎌倉」という番組制作に参加したことはありましたが、その後10年間は関係がありませんでした。平成16年になって番組審議委員会の久保田さんからの依頼で、再建をお引き受けすることにしました。
鎌倉エフエム放送は総務大臣の免許を得たコミュニティー放送局(民放の一種)です。アマ局ではありません。コマーシャル放送もできます。株式会社で、鎌倉市と民間の共同出資であり、鎌倉市から補助金が出ています。
アンテナ(送信所)は今泉台(ゴルフ場)にあり、スタジオ(演奏所)は由比ガ浜にあります。
(アンテナ:今泉台)
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(スタジオ:由比ガ浜)
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■局の経営と番組つくり
市町村をサービスエリアとするコミュニティー放送局の場合、コマーシャルの収入では収支が合いません。また24時間放送用の全番組を制作する能力もありません。そこで専門の衛星放送(MusicBird)の番組を活用しながら、独自の番組と組み合わせて番組を編成しています。
鎌倉FMの場合は、幸いにも優秀なボランタリの皆さんが参加して下さっており、何とかやりくりしています。番組制作は生放送と収録で手順が違いますが、実際のトーク担当(DJ)以外に、資料集めや台本つくりのほかミキサーという技術を担当するスタッフなどとの共同作業です。収録の場合は編集作業があります。これは、不要部分を削って所定の時間(長さ)に仕上げる仕事です。
市民の皆さんで番組制作に興味のある方は是非参加してください。
(スタジオにて)
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(Macで編集)
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■中学生の課外授業
鎌倉FMでは中学高校の課外授業として、放送局業務を紹介するカリキュラムを毎年行っています。
(平成20年度の実績)
・市内の全中学校・市外2校
・高校生のインターンシップ
(寄せられた感想文)
★ラジオの流れる仕組みや、DJの方のリスナーへの気遣い、スダジオでの様子など様々なことを学ぶことが出来ました。又自分達の作るラジオ番組の収録、編集等に参考になりました。
★今までのラジオのイメージは、DJや、音楽を流す人だけでした。この体験をすることで、ラジオの裏側にはスタッフという方々がパソコンや電話で一生懸命に情報を集めて、楽しいラジオを作りだしているのだと知ることができました。
★生放送に出させていただいた時は、マイクが遠くて私たちの声は聞きづらかったので、少し残念でした。その後の収録では、きちんと音が入っていてよかった。
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防災への貢献
コミュニティ放送局の目的のひとつに地域防災への貢献があります。まず、鎌倉市とは防災放送に関する協定を結んでおり、鎌倉市消防本部からの割り込み放送を実施中です。通常のお知らせは消防自動車の出動(出火・鎮火)・光化学スモッグ注意報・大雨洪水警報などです。
ところで、関東大震災では鎌倉市も大きな被害がありました。一方、阪神大地震では地域FM放送が住民の有力な情報入手手段だったことが実証されています。来たるべき大震災における鎌倉市のハザードマップでは若宮大路の両側は津波により浸水します。幸い鎌倉FMのスタジオのある場所は少し高台で水没はまぬがれそうです。しかし、今泉台の送信所には予備電源が常備されていません。緊急時における放送の維持が大きな課題です。鎌倉FMだけで解決できない問題も含んでいますが、今後取り組みが必要と感じています。
(ハザードマップ)
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←関東大震災級の地震による大津波による浸水区域(薄赤) (画像をクリックすると拡大します。)
緊急告知FMラジオ(倉敷市の例)
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■本職は
平成になってサラリーマンをやめてからはオーディオ評論家としての活動が主になっています。新しい機材の評価や、座談会への出席などを行っています。
オーディオの総合雑誌「ステレオ」(音楽の友社)2009年2月号
ステレオ視聴室:話題の新製品を聞く:オキニス RA-125他
特集2:2008年のベスト5ディスク:新岡 大/アルグム(赤坂工芸音研)
アクセサリ ファイル:電源ケーブル AET
放送関係では(社)日本コミュニティ放送協会理事をつとめています。
■電波が弱くて聞けない方は
鎌倉FMは周波数82.8メガヘルツで24時間放送しています。
しかしながら、鎌倉は地形が複雑なので鎌倉FMの電波が届かず聴いて頂けないご家庭があります。この場合、
JCN鎌倉(ケーブルテレビ)と契約している方は、ケーブルテレビのホームターミナルから有線でラジオを聴くことができます。周波数は79.4メガヘルツです。
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