第68回 My 鎌倉   logo1
今月のゲスト

小山 渚さん


書道家


[2011.2.15]
  小山渚さん

こやまなぎさ(雅号 汀月さんの書歴
幼少より母 黄琳(昭和36年没)に書道の手ほどきを受ける。
1966年(昭和41年)大道書学院(川上景年先生)に入門
教師免状、選奨、師範免状を取得。
光林書学院開設、審査員に選任される(平成7年退塾)。
1994年(平成6年)第15回 鎌倉めるへん展 東京新聞社賞受賞
現在 鎌倉(山之内)にて書塾「てならいどころ」主宰



■個展


1993年 平成 5年 ギャラリーS i o (東京青山)
1998年 平成10年 「龍」の文字を主題に 建長寺(神奈川県鎌倉市)
1999年 平成11年 「龍」の墨書特別企画展 曼荼羅美術館(和歌山県龍神村)
2000年 平成12年 「えにし」を主題に 東慶寺(神奈川県鎌倉市)
2001年 平成13年 「湖游」コスタ(山梨県山中湖町) コレド(東京広尾)
現代制作舎上演『うしろ姿のしぐれてゆくか』の舞台文字
および山頭火展シアターVアカサカ(東京赤坂)
「花ぶさ」蔵美術館(静岡県伊豆長岡町)
2003年 平成15年 「花びらと」  自宅
「光と風」  小津ギャラリー(東京日本橋)
2004年 平成16年 「風と想」  小津ギャラリー (東京日本橋)
「風のいろ」 日仏会館 (東京恵比寿)
「風来何処」 建長寺 (神奈川県鎌倉市)
2006年 平成18年 「玉響」   それいゆ (東京日本橋)
2007年 平成19年 「玉響PartU」小津ギャラリー (東京日本橋)
2008年 平成20年 「寿限無」長寿寺本堂及び庭園(神奈川県鎌倉市)
「酔うて候」伊東屋ギャラリー(東京日本橋)
2009年 平成21年 「墨韻」 小津ギャラリー(東京日本橋)
2011年 平成23年 ルーサイトギャラリー(東京柳橋)=予定

■グループ展


平成7年より毎年一門展・渚の会書展、他グループ展多数
2009年 平成21年 「書藝精神2009SEOUL」展(大韓民国ソウル市)
2010年 平成22年 平城還都1300年祭 国際書画友好交流展 
奈良県文化会館(奈良県奈良市)


■不器用


母が書道塾を開いておりましたので、小学校3年生の頃から否が応でも筆をもって座らされました。本音を言えば好きではありませんでした。
決して巧くはなく、他の子供達の方がずっと上手。先生の子なのにと言うひけめがついて回っていたような気がします。
血筋として悪筆の手です。母は努力の人。父は絵が好きで、色紙などに絵を描き歌を添えていました。魅力はあっても旨い字ではありません。兄は有名な悪筆。
よく人から「書家になったのは血筋がよいのでしょう。」と言われますが決してそうではなく、継続は力なりの言葉の通りです。
書道をずっと続けて今日にいたっております。不器用で整った字が書けず、大器晩成!六十歳を過ぎてからが勝負!!と心に決め、自らを慰め励ましてきました。
私は不器用だから上手に書けないと言う方がいらしゃいますが、不器用な人ほど習練すると味のある心惹かれる字になる、これは本当です。
不器用は大切な財産なのです。「そして書は人なり」です。
母は私が十七才の時に逝去。その後川上景年先生に入門。厳しい指導を受けた時は何度泣きながら帰路に着いたかわかりません。しかし、今になってみると先生の教えがひとつひとつ生きてきて感謝して居ります。 

般若心経
長寿寺 こけらおとし(般若心経)


■墨の色 


色は全てを合わせると黒になります。従って墨はいろいろな色の可能性を持ちます。書き手によって同じ墨でも微妙に違うのです。楽器と同じかも知れません。

風になって 一瞬 福
小津ギャラリー  たまゆら展


■読める字を 



文字を主体としている以上、観て下さる方に解かっていただきたい、感じていただきたいと願っております。
書は芸術だからといって読みようがない字は書きたくないと思っております。
漢字一字、漢詩文、短歌、俳句、現代詩文、いづれも同じです。
従って何を書くかが大切な課題になります。それをどのようにイメージし表現するか。百枚以上書いても納得出来ず諦めることもあり、始めの一枚で決まることもあります。
私の作品から、何かをお伝えできたらと常に願っております。

今 風 暁
小津ギャラリー 長寿寺 小津ギャラリー


■個展 


ギャラリーの他に建長寺で一回目は「龍」を二回目は「風来何処展」を主題に個展を開きました。東慶寺の書院では「えにし」を「テーマ」に個展を開き、長寿寺本堂こけら落としの祭「寿限無展」を開かせていただきました。
中でも建長寺の紫雲閣(百二十畳)での、「龍」を主題とした個展は、私にもの凄い力を与えてくれました。
展覧会のお約束をしておきながら、自信が無いからとお断りに伺った時に吉田正道御老師は「それなら一点置いて、その前に座っていらっしゃい。誰でもが出来る場所ではない。ここで出来ること自体が貴女の力なのだから。」と諭されました。
悩んだ挙句、「龍」は仏法を守るということに気付き、二階堂にお住いだった故笹間良彦先生にお願いして、「龍」について学ばせて頂き、数々の「龍」のイメージが限りなく文字になってゆきました。
「龍」が私を助けてくれました。

龍 亀遊
建長寺 長寿寺


■「てならいどころ」(鎌倉市山ノ内)


自 宅の門に「てならいどころ」という看板を掛けて書道教室を開いております。時々「何を教えているのですか」と問われます。大人の方を対象として漢字、仮名 の両方を稽古いたします。ただし、展覧会など私の作品をご覧になられて、この字が好きだと思って下さる方のみ、入門していただいています。


■「渚の会」


八幡宮の若手神職と巫女さん方合わせて三十人位に書道の指導をしております。また自宅「てならいどころ」の門人と八幡宮の方々とで「渚の会」を結成し、毎年九月に八幡宮の直会殿(なおらいでん)をお借りして「渚の会書展」を開催しております。
まだまだ拙い書もございますが、一生懸命書いた作品が並びます。
そこに特別出品として建長寺の吉田正道管長、八幡宮吉田茂穂宮司の御作品も並びます。清々しい場所をいただくとともに最高の方々の御協力を賜わっております。



寿限無 ほのか
長寿寺

長寿寺

福
建長寺

長寿寺

色
日仏会館
「コンクリートとマッチさせた作品」

長寿寺


夢
長寿寺
「庭とアクリルに入った作品の調和を考えた屋外展示」


■ リンク集


  ・大道書学院



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