鎌倉にゆかりのある方にお話を聞く…第15回 My 鎌倉
今回のゲスト
永野奈津子さん(鎌倉FMアナウンサー)
 永野さんは妻であり一児の母であり、また地元の鎌倉FMで働く女性でもあります。毎日を充実して忙しく送る永野さんに、育児や仕事を通してみる鎌倉の素顔を紹介していただきました。

「人との触れあいが作る街」

 この街に越してきたのは約2年前、私は主人の実家のある北鎌倉に移り住みました。親戚の者も多く住んでいますし、結婚前からよく遊びに来ていたこともあって鎌倉は親しみやすい土地でした。その中でも、今住んでいる北鎌倉の自然の多い雰囲気は私の好きなポイントのひとつです。私が観光客だった頃も、北鎌倉駅から建長寺を経由して鎌倉駅まで至る普通の観光ルートだとつまらないので、よく山道を抜けて歩いたものでした。海を一望できる展望台などがあり、とても素晴らしい道です。そんな道を歩いていると、鎌倉が東京などに比べていかに季節を感じさせてくれるのかが分かります。自然が匂いを伴って目に飛び込んでくる、そんな感じなのです。そんな環境のよさを、子供ができた今、私は痛感しています。自然の中で見つけ学べるものは、とても多いのではないでしょうか。お金をかけて都会の排気ガスの中で育てるより、得られるものは格段に多いと思っています。家から歩いて20分くらいのところにある鎌倉湖などは、子供とよく行く遊びにでかける場所です。また、私自身にとっても、鎌倉の自然は大切な生活の一部です。私の仕事はデスクワーク中心の仕事ですが、時には銀行に行くついでなどに、原動機付きバイクで遠回りをして、学生の頃から好きだった海を眺めて気分転換を図ったりもします。ま、あんまり大きな声では言えませんけども。  鎌倉には歴史や文化の街であるという側面と、湘南という若者の集まる街という側面、このふたつがあります。地理的にも、山があって海もあります。鎌倉はそういう極端な特徴がうまく組み合わされている街なのではないかと思います。その両端にある特徴の調和がとても心地よいのです。そこには、人と人とのコミュニケーションの深さが関係しているように思えます。最近は隣に住んでいる人がだれだか分からない世の中です。でも鎌倉の人は、みんな鎌倉が好きで住んでいる人ばかり。自分が住んでいる場所が好きだという共通点は、お互いが深くかかわり合うためのきっかけになっていると思います。バス停で隣り合った人とも、いつの間にか言葉を交わしている、そんなことが日常茶飯事でおきてしまうのです。  私は以前、大阪に住んでいて震災を経験しています。震災直後から、ずうっとラジオで情報を伝え続けたという方がいらっしゃって、その時にラジオの情報を伝達する力ということにとても強い印象を持ちました。情報社会にあって、いかに情報を上手く素早く伝えるかということは、とても大事なことだと思います。私はそういう経験もあって、鎌倉FMの仕事に応募したわけです。鎌倉FMの目的というのは、鎌倉の文化を広めたり、鎌倉という街をよく知って貰いたいというところにあります。それは、我々職員とお手伝いを頂いている多くのボランティアの方々の、共通の気持ちでもあります。実際に放送局を運営する上でいろいろな問題点や難しい局面もありますが、そういう気持ちが聞いて下さる方達や観光にいらっしゃる方達にも伝われば嬉しいと思っています。月並みですが、もっともっと多くの方に鎌倉FMを聞いていただきたいと思っています。 (追記 鎌倉FMでは「湘南文芸賞」の作品を募集しています。毎週到着した作品の中から入賞作を決定し、鎌倉FMの番組内で朗読をしています。また、12月31日までの入選作の中から「湘南文芸賞」の受賞作を再選考します。市民の参加できる、地元の放送局らしい企画ではないでしょうか。詳しいお問い合わせは鎌倉FM「湘南文芸賞」係/電話0467-25-7000まで)
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