碑文
昭和五年 金沢文庫伝存にかかる仏書の奥書(おくがき:由緒書)より発見され 漸(ようや)く世に知らるるに至りし佐介文庫は 松谷文庫又は佐介松谷文庫とも称へ 金沢文庫と同時代頃の創立と推察せらるるも
其創立者 所在位置 規模 存続期間等詳(つまびらか)ならず 然れ共 北条氏の一族たる佐介氏其邸内に寺院と文庫とを創立し 其地名を寺号と文庫名とに充てしものならん 此地今に松が枝 又は松が谷の伝唱あるを以て
松谷寺及佐介文庫は共に此附近に所在せしものと推定する所以なり
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説明
佐介文庫の名は、昭和五年に金沢文庫に伝わる仏教書物の由緒書きより発見され、初めて世に知られるようになりました。またこの佐介文庫は、松谷(まつがやつ)文庫または佐介松谷文庫とも言われ、金沢文庫と同じ時代にできたと想像されますが、
その作った人、あった場所、規模、存続した期間など詳しいことは分かっていません。しかし、北条氏の一族である佐介氏がその家の中に寺と文庫とを建て、その地名を寺の名と文庫の名とに当てたものと思われます。
この場所の地名が現在松が枝または松が谷と伝わっているため、松谷寺および佐介文庫は共にこの付近に在ったものと推定されます。
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