多勢は勢いを恃(たの)み、少数は一つ心に働く
−− 徳川家康 −−
この欄を読まれていた方はご承知かも知れないが、当初は一人で書いていた原稿を一年半ほど前から二人で交互に担当してきた。このたびの「チャンネルガイド」の誌面刷新にあたり、再び一人の方が担当し、元に戻ることになった。本来のお楽しみに戻れるので乞うご期待−。
ケーブル事業界が未曾有の変動期にあり、当社もその例外ではないことはこれまでもしばしば書いてきたところである。
それは放送のデジタル化であり、光ファイバー化であり、皆様には馴染みが薄いことではあるが広帯域化である。その本質は我国のIT国家戦略の一環であり、限りある電波の効率的な運用にある。
これは一般の方には分かりにくい状況ではあるが利点は多くある。専門チャンネル(CS)の量が増える、映像・音質のクオリティが上る、データ放送が送れる、「見るテレビ」から「使うテレビ」へと機能が変わる、PC(パソコン)との相互乗り入れが出来る等々である。
ケーブルテレビは今や日本全国で過半数の世帯加入数を誇り、もしこのケーブルテレビがデジタル化に取り組まなかったとしたら日本の放送のデジタル化は成らない。私達が借金をしてでも取り組まねばならぬ理由がここにある。そのデジタル化に最適と言われている光ファイバー、おびただしい量の情報量をのせて運ぶにはこれまでのメタリックの銅線ではロスが多くなる。したがって、光化にも取り組む。そして同じデジタル化となっている通信との乗り入れは単にケーブル事業者に止まらず、通信事業者との競合関係も生れてくる−。
前々回は「ナマ放送」の開始が社員の意識を向上することについて述べたが、この状況をさらに加えていくと、社員の皆が奮い立たない訳がない。
新しい時代の流れにどっぷりと首までつかり、その流れに実感をもって対処する時が今なのである。それは加入者のお客様に良い結果をもたらすことにつなげる成果とならなければならない。毎日、多くの方々からお問い合せ、苦情を頂く。有り難いことだと思う。
地域にいる企業として様々なお叱り、ご注文を頂けることはまだまだご期待して頂けている証左である。誠意をもってお応えしていかなければならない。
「チャンネルガイド」の刷新はこうした時代を反映していて、恐らくは機能本来の小冊子から、読まれ、愛され、活用して頂けるコミュニケーションの場となる筈である。
今後の当社を見守って頂き、どしどしご注文をつけていただきたいと願っている。
(A・M)
鎌倉ケーブルテレビ広報誌
「チャンネルガイド」
平成16年6月号掲載
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