市民の手で番組を

8月の絵  鎌倉ケーブルテレビでは、地元の情報や行事・イベントを取材して「ふれあいネット鎌倉」というチャンネルで自主放送を行っている。コミュニティチャンネルを持つことは、多チャンネル型ケーブルテレビの認可に関する要件になっている。鎌倉市内に在住の方々だけがお客様なのだから。出来るだけ市民の皆さんの役に立つ、喜んで頂ける番組を、と心掛けているが、質量ともにまだまだ多くの課題を抱えているのが現状だ。

 さき頃、鎌倉ケーブルテレビで、直接番組作りに参加して頂く市民ボランティアの希望者を募ったところ、七十名を超える方々が応募して下さった。ご自分でビデオカメラや編集機を持っておられるようなセミプロ級の方から、何も出来ないと思うけれど、とにかく参加してみたいという主婦の方まで、頂いた葉書から熱意が伝わってきて、誠に有難いと思っている。年令も十三歳の中学生から七十歳の障害者の健康ボランティアをなさっている方までと幅が広い。
 地域独自の文化を産む、ケーブルテレビというメディアならではの夢を、夢でなくするために、その土地に生きる人のそのままの姿や声をブラウン管にのせることで、まず一歩を踏み出したいと思う。テレビを見るだけのものでなく、誰もが何かを発表できるものに出来たら、きっと素晴らしいに違いないという想いがある。その土地の文化度というのは、文化人と称ばれる人が住んでいることではなく、誰もが自由に自分を表現出来る場を持つことだと思う。ケーブルテレビ局として、そういうお役に立てれば、と心ひそかに願っている。

鎌倉ケーブルテレビ広報誌
「チャンネル鎌倉」
平成7年8月号掲載
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