■鎌倉家庭菜園のいきさつ
今から30年程前から畑を借りて休日に野菜作りを始めました。畑は鎌倉の谷戸にあります。全体は300坪ですが、耕作面積は200坪位です。畑には金柑3本、柚子3本、柿、しし柚子、梅、茗荷、フキ、サクラ、季節の花等を植え倉庫・休憩場所を設置しています。北側斜面に椿の「侘助」を大切にしています。近年は斜面を整備し花やフキを増やしたいと思っています。 務め人の時は冷暖房の部屋の生活でしたので将来はおてんとう様の恩恵を受け自然の中で美味しい野菜づくりをする事が希望でした。 ボランティア活動が無い休日だけの畑作業では作物は良いものが出来ませんでした。 菜園には自分なりの「こだわり」を持って野菜作りを楽しみたいと思っています。無農薬に近い「少量、多種類の多収穫が目標です。」自分の野菜をお世話になっている知人、友人に食べてもらうのも嬉しいものです。 この家庭菜園から楽しい生活をしたいと思います。 ◆にわか百姓と云われています 「にわか百姓」という、名付け親は、三浦市向ヶ崎の農家のご主人でした。毎年夏になるとスイカとメロンを購入している。その農家の主人は、自分の農業で、 鍬など使った経験がないといっていた。又大型機械を導入した専業農業ですので、 私の趣味的な野菜作りの相手ではないのにある日、ご夫妻で私の畑へ訪ねて来てくれ たことがあった。 その後、知人が三浦の農家を訪ねた時、「にわか百姓のあの人」は元気かと、聞かれ た話しをしてくれた。この時から「にわか百姓」の言葉が私になぜか気に入っている言葉です。 ■お天道様へのこだわり
「健康寿命」とは「健康で自立 した生活を送ることのできる期間」のことですが、日本の男性の平均健康寿命は男性72.3歳で平均寿命は78.63歳とのこと、この差6年は要介護や寝たきり状態など「不健康期間」というそうです。人生の終末のこの6年間は、みじめでならない。その為に早くから「健康増進、発病予防」の為に、お天道様の下での家庭菜園をすることに意義あるとして始めました。 私の畑はお天道様の陽光を朝から晩まで十分いただく場所ではありません。北側に山、南側に山、東側も山で朝日が昇ると畑に陽光が当たり始めるという谷間、谷戸にあります。この谷戸では家庭菜園を数人が楽しんでいます。初めて谷戸に来た人は、鎌倉にこんな風情のある所があるとは思わなかったと驚き、喜んでくれます。 野菜作りにはお天道様様の光がまんべんなく当たる場所が望ましい。野菜の種類は多く、日当たりを好む種類、日当たりの悪い場所を好む種類、湿地を好む種類などいろいろあります。そこで、日本の食料自給率は40%だそうですが、大げさだが、家庭菜園をやるからには努力して野菜の生産量を上げることにしています。 太陽のないところでは満足な野菜を作ることできませんが、夏の野菜の多くは一日中太陽の光を好む野菜で、秋から早春に収穫する野菜は半日かげりでも作れる、また日陰でも作れる野菜もあり、この環境に合わせて出来るのが、私の家庭菜園の良さと思っています。野菜作りには日当たりが何よりです。だから「お天道様」にこだわるのです。 お天道様のお蔭で、私も元気に野菜を作りができる。作り過ぎた野菜を配ると、喜んでくれる知人友人がいる。それは御世辞でもいい、おいしいと喜んでくれる。一人での畑作業は、他人に気兼ねはいらない。終日をお天道様の下で過ごせることがなによりです。 「お天道様」の書き出しで、気に入った詩がありました。この詩が好きです。
■家庭菜園への栽培こだわり
自分の手で作った野菜は食卓を彩り、収穫した喜びは家族にも歓迎され、なんといっても,新鮮な旬の味は、姿、形は八百屋と比べて、見劣りしても収穫の時は捨てられない。四季折々の採りたての風味は、とうていその比ではありません。 野菜はビタミン、ミネラルを含み体内の酸性化を中和するアルカリ食品です。その栄養価を保つのが新鮮野菜です。家庭菜園だからこそ、その都度収穫できることが強みです。 作るからには、自家消化量以上に収穫したい。又御世辞にも、虫食い、見てくれの悪い野菜を喜んで食べてくれる知人友人がいますので、野菜を配る楽しみを続けている。 農薬を使わない安心安全無農薬野菜作りは理想ですが、現実は病気や害虫による被害があります。勤人の頃は、畑に行く日が土日限定となり、天候の左右により作業が出来なくなり、ろくな野菜の収穫にならなかった。「野菜は足音を聞いて育つ」と言われ、畑の見回りが大事です。新芽の頃は特に注意が必要です。葉が害虫に食われていないか、野菜の葉を裏返して虫や卵があれば手で潰す。被害が多い場合、薬剤散布は1000倍に薄め、慎重かつ早く処置することにしている。翌日雨ならすぐに薬剤を散布する。(雨なら散布しても葉の薬剤は雨にながされしまう) 土作りの畑は関東ローム層の土、乾燥が続くと硬くカチカチになり、雨が降ればべとべとになり、始末の悪い畑ですが長年堆肥を入れたので良くなった。土作りは堆肥、牛糞、鶏糞、米ぬか、配合肥料を施す。病害虫への抵抗力、野菜自体のうまみ作りにこだわってきた。うまい野菜作りのこだわりには、米ぬかを薄く、何度も散布して耕運機で敷きこむことでにしている。化成肥料はあまり使わない。 畑は堆肥の投入は大事、堆肥用の古畳の置場には常時20枚程置いてある。これを解体し、手押切機で10センチ程度に裁断する。処分野菜は集積場所で藁と混ぜて堆肥にする。畳だけの堆肥、購入する野菜用堆肥、鶏糞堆肥などを活用している。購入堆肥投入目安は畝1列約10mに20?を入れる。藁は春先はジャガイモ植付け時に種の上に藁を乗せる。夏は敷き藁として地這きゅうり、金絲瓜(そうめんかぼちゃ)、かぼちゃに利用する。使用後堆肥となる。堆肥や肥料の購入先はJAが多い。昨年(23年)春先から夏にかけて堆肥に放射能被害があり一時出荷停止された。 土壌の酸性度の中和には苦土石灰の替わりに、畑で草取した物を乾燥させて焼却灰にしたものを用いている。また古畳を焼却してその灰を散布もしている。苦土石灰は畑の土が固くなりやすいので避けている。 種の蒔き方については、「良苗半作」の諺がある。(よい苗づくりが良質の野菜を得るコツ)種蒔をする前の準備を「待肥」と云って、1〜2か月前に焼却灰、堆肥、元肥を入れて畑を耕し置くことで、種蒔や苗を植付けると既に土はなじんでいて順調に成育するのでこの方法もこだわり作業。ニガウリは3月に準備し5月に移植するが、5bの間隔に2本で十分、収穫は良好。畑に直まきする時は、天気の良い日は午後に、明日雨模様の場合は前日に種蒔をするのがいい。種を蒔く時は溝の下地に水を多めに撒いて土をかけ、種を蒔くと以後の水やり不要。 蒔き方には「すじ蒔き」と「点まき」があり、大根や豆類は「点まき」、ビンの底を押付けた穴に4から5粒蒔いている。すじ蒔きは平うねに一列の溝を掘りその両脇に種を蒔く、種を覆土する前に培養土を被せてから覆土しているが、芽吹きが良いし畝作りの列は朝日が一列に当たる南北の列にしている。またの理由は南側に通路があり通行人の見た目は、野菜の列がきれいに見えるから。無農薬を目指し「少量、多種類、多収穫栽培が目標」。 ◆毎年家庭菜園の栽培記録を残している。 2007栽培の記録 ■家庭菜園からの楽しみ ◆畑パーテイーは、雨天でも実施できます。 畑の休憩場所で野外パーテイーが常時開催出来ます。雨天でも20人のバーベーキューが可能です。燃料は薪を主に使用し釜戸を使用している。木炭も常備して、時によってはプロパンも使用できる様コンロもある。水は涸れることがない自然の水源がある。この自然水を釜戸で沸かして飲料水とするコーヒーもお茶も美味い。怪我をした場合の為に水道水は常時タンク2個分を搬入している。 四角の七輪は優れもので消し炭で切餅を焼いて食べている。木炭の火持ちが良く、干物、焼き鳥、サザエも焼く。石焼いもの壺も便利で、「さつまいも」や「じゃがいも」が美味く焼ける。 パーテーの常連は春と秋に開催をする秋田屋会の面々がいます。生きたたらば蟹を炭火焼いて食べる味は最高です。 飲み物は酒屋が畑まで配達してくれる、夏は生ビールが美味い。パーテーの後片付けが楽なように使用する容器類は紙製品を使用焼却し易いものとしている。 災害の場合にと保存用水やラーメンを箱で置いている。食器類、箸、鍋類も豊富に常備している。万が一の時は食材があれば数日間は避難できる。寝具はないが寝る場所は小屋でランプもある。古畳がたくさんあるので畳敷きが可能。今後用意したいものは発電機が欲しい ■野菜料理へのチャレンジ ◆あかじそジュースの作り方
◆あかじそジュースの作り方 その2
◆エンツァイの油炒め
◆きゅうりの醤油漬け
■菜園の四季おりおり 菜園場に開花するいろとりどり野菜の花々を楽しむ、又季節感を感じる素晴らしさです。 ■菜園収穫品を加工する楽しみ
■今後の野菜つくりへのチヤレンジ 野菜の種には、大きく分けて固定種とF1種(エフワンしゅ)というのがあります。野菜の種子はF1(一代交配種の略)が主流です。日本で売られている野菜のほとん どがF1という種苗会社でつくられた規格野菜をつくるのに好都合な種です。 「F1は異なる性質の種を人工的に掛け合わせて作った雑種の一代目。種を自家採集できる固定種に比べF1種は自家採集しても同じ性質を持った種を採ることができない。ただし、固定種は形や大きさ、成育期間がそろいにくい。栽培や自家採集に時間 と手間がかかる。一方のF1種は均一な野菜ができ大量生産、大量輸送、周年供給などが可能で市場での扱う野菜の規格化がF1種人気を高めた。」(神奈川新聞記事より引用) 固定種は子孫をつくることが出来るが、F1種は子孫をつくる能力がなくなった野菜 です。人類にとってこのような野菜は健康で安全性があるのでしょうか。日本の各地の風土に根ざした昔ながらの伝統野菜とか地域野菜、たとえば聖護院大根とか練馬大根とか,三浦大根などなど、土地の気候風土と、作り方に適応して生まれてきたものがありました。でも地域の伝統野菜までもがF1種化しているという。 F1種の青首大根を漬けると青いところが黒ずむ、大根は水っぽくて甘い、煮るとすぐ煮えるが煮崩れする。昔の大根は硬くて辛い(煮ると甘くなる)と記憶する。 家庭菜園の基本は、まず良い種でしょう。自分で食べる家庭菜園の野菜は、自分や家族の健康のためのおいしい野菜を作るなら、家庭菜園の種は「固定種」を栽培してみたい。 固定種の「日本法蓮草」は、九月彼岸頃にトゲのある三角形のタネを水に浸けて蒔いてからおよそ三ヶ月かかって育ち、お正月頃に食べる冬野菜でした。根が赤くて甘く、生食できるほどアクがなくておいしいのですが、葉は薄く切れ葉でボリュームがなく、寒くなると地面に張り付くように広がって、収穫に手間のかかる野菜でした。 今年の夏は、地這きゅうり、秋は大根、こかぶ、ホウレンソウに挑戦してみたい。 |