9月14日、鎌倉市教養センターにおいて、NPO法人鎌倉ガイド協会の自主研修会が開催されました。

今回のテーマは「鎌倉ゆかりの俳人 高濱虚子のあしあと〜虚子生誕150年~私が考える虚子像」です。講師は当協会ガイドの田中小百合が務めました。

2024年は高濱虚子の生誕150年にあたります。

松山市に生まれた高濱虚子(本名・清)は、中学の同級生である河東碧梧桐から正岡子規を紹介され、俳句を教わるようになります。「虚子」という俳号は子規が名付けました。松山で創刊された雑誌『ホトトギス』を東京で引き継いだ虚子は、1905年に夏目漱石の『吾輩は猫である』を連載し好評を得ます。その後「花鳥諷詠」「客観写生」を提唱、有季定型という近代俳句の本流を確立しました。

子どもの健康のための移住から明治・大正・昭和の50年に渡って鎌倉に住んだ虚子は、鎌倉文士の草分けとなり多くの文人に俳句を広めました。また次女・星野立子に「玉藻」を創刊・主宰させ多くの女性俳人を育成します。国内外に俳句を広めた功績により俳人として初めて文化勲章を受賞しました。

私たちが中学高校で学んだ文人たちの、俳句を通じた活き活きとした交流が身近に感じられ、有意義で楽しい講演でした。

なお、二階堂にある鎌倉虚子立子記念館では、四季に即した作品が展示されています(完全予約制)。

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